歯周病治療
歯周病とは
歯周病とは、歯肉についた歯垢(プラーク)の中の細菌によって引き起こされる病気です。
歯と歯ぐきの境目についた歯垢から、歯の根にそって歯周病菌が入り込み、歯を支えている周りの組織をジワジワと破壊していきます。
歯周病の原因
統計によると、35歳の方の80%以上の方が歯周病と言われております。
しかし、35歳になってから突然、歯周病になるわけではありません。
実は10代の頃から少しずつ進行しており、長い歳月をかけ、気付かれないスピードで歯肉をジワジワと壊しています。
歯ぐきから血が出るという自覚症状がでる30代の頃には、既に歯肉炎・歯周炎になっています。
歯周病は虫歯と違ってほとんど痛みがないため、気付いた時には抜かないと…ということも多々ある恐ろしい病気です。
歯周病の進行
歯周病の進行段階を大きく分けますと下記の4段階に分類されます。
多くの方は、「歯肉から血が出る」といった自覚症状を感じてからはじめて歯科医の診察を受けに来られるか、相談をされますが、このような症状があるときはかなり進行している場合が多いです。
さらに、そのまま放っておいて歯周病が悪化し、歯を抜くと多くの支障が出てきます。
50歳代で「自分の歯がほとんどない」ということを未然に防ぐためにも、日々の生活のなかで、歯周病の予防を心掛けていただければと思います。
歯周病治療の流れ
歯周病治療は、基本的に以下のような流れで行なわれます。
初診
歯ぐきの検査
歯石除去、プラーク(歯垢)コントロール
どのように改善されたか再チェックを行う
重症の場合
外科的な手術を含めた健康な歯ぐきに改善する治療を行う
経過観察
これで、初期の歯周病は治すことができます。
しかし進行した歯周病に対しては、外科的歯周病手術を行い、完治させるケースもあります。
治療後のメンテナンスが歯周病に対して大きく左右しますので計画的で長期的なメンテナンスを行うことが大切です。
歯周組織再生療法とは
骨補填材やコラーゲンでできた膜を使用して、骨の再生を促します。
歯周病が進行すると、少しずつ歯槽骨(歯を支える骨)が溶けていきます。やがて、歯槽骨が歯を支えきれなくなると、歯が抜け落ちてしまうことがあります。
『歯周再生療法』は、歯を失わずにすむよう、歯周病で溶けてしまった骨を骨移植や歯周組織再生誘導材料によって回復させる方法です。
再生医療の届け出について
当院では再生医療等安全性確保法に係る届出が完了し、施設番号を受理いたしま した。
施設番号:FC 5150220
再生医療を実施する施設(医院)では、近畿厚生局の認可を受けなければならなくなりました。
当院では「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」及び「再生医療等の安全性の 確保等に関する法律施行規則」などの改正再生医療法に基づく「特定細 胞加工物製造業者」としての届け出が完了し、施設番号を受理いたしました。
歯周組織再生療法の種類
主な歯周組織再生療法には、以下のようなものがあります。
GBR法(骨再生誘導法)
骨の再生を促して骨量を増やす治療方法です。
骨を増やす部分に人工骨を入れ、メンブレン(人工膜)で覆い、骨の再生を促します。
4~6ヵ月で新しい骨がつくられます。
GTR法(組織再生誘導法)
歯周病で破壊された歯周組織を再生させる治療方法です。
再生させる部分をメンブレンで覆い、周りの歯肉の侵入を防いで歯周組織をつくるスペースを確保します。
4~8週間で新しい歯周組織がつくられます。
エムドゲイン
歯周病で破壊された骨を再生させる治療方法です。
歯根に歯周組織再生誘導材料であるエムドゲインゲル(たん白質の一種)を塗って、歯の萌出過程に似た環境を再現し、新しい骨をつくります。
CGF再生療法
血管に傷がついて血が出ると、血液の中の血小板が集まり、血液を固める成分が出て『フィブリン』という物質が作られます。そのフィブリンが血液を固めることで、出血が止まります。
『CGF』は、患者さまの血液を遠心分離器にかけて作ったフィブリンと、血小板や成長因子を濃縮したゲル状の塊であり、患者さまの血液のみから作られる、完全自己血液由来のフィブリンゲルのことをいいます。
そして、そのCGFで骨が足りない部分を補ったり、骨を覆ったりして、骨の再生を促す治療方法を『CGF再生療法』といいます。
CGFは完全自己血液由来であり、添加物などが一切含まれないため、アレルギーや感染の危険性が軽減され、患者さまの負担が少ないより安全な治療が期待できます。
糖尿病の患者さまへ
糖尿病を改善するためには、食事を見直すことも大切です。
ヘモグロビンA1cが、7.0%を超える方は、歯周治療をしっかりと行なうことをおすすめします。
いろんな方面から、糖尿病を改善するのに食事も大切な一つです。
ぜひ参考にご覧ください。
歯周病治療Q&A
『歯周病』と『歯槽膿漏』はどう違うのですか? |
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『歯槽膿漏』は歯肉からうみが出ている状態であり、歯周病の症状のひとつであるため、ひとくくりに『歯周病』といわれています。そのため、両方ともほぼ同じ意味となります。 |
歯周病は自然に治りますか? |
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自然に治ることはないので、治すには治療を受ける必要があります。歯周病は、症状の段階によって治療方法が異なります。 |
歯周病になりやすい年齢はありますか? |
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以前は中高年層以上の方がなりやすいとされていましたが、最近では、子どもや若年層の方でも発症するとされています。 |
歯並びが悪いと歯周病になりやすいのですか? |
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歯並びが悪いと歯磨きしにくくなり、磨き残しが多くなってしまいます。そのため、歯周病を発症しやすくなります。 |